2014年夏に総務省調査が発表され、全国の空家が820万戸で空家率が13.5％と報じられる一方で、新築の住戸建設は年間で120万戸以上。これだけの住宅ストックが蓄積されているのに流通市場に流れる既存住宅の割合は１割程度。かたや国交省の資料によると欧米諸国の住宅流通の７～９割が既存住宅。この要因を適確に解決することができれば、既存住宅及び建築ストックの流通市場も開放され伸びしろが期待されます。

　まず、一番大きいのは耐震であることは明白で、十数年ごとに日本のどこかで大震災が起き、その都度想定の甘さを認識し前に進んできました。そして建物は今や震災後も通常使用に耐えうることを求められるようになりつつあります。しかし、これはインフラとして建築に求められていることでもあります。

　2015年現在、国の施策もストック活用、都市基盤の再生へと進み、リフォーム＆リニューアルの潮流がいよいよ本格的に始動してきました。本書は、建築ストック活用の魁として、大きな問題をクリアし成功した事例、つまり「新しい価値を創造した国内の建築再生の優秀な成功事例」を４３事例掲載し、わかりやすくまとめられています。ストック活用のいしずえとなる１冊です！

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